皆さんは「2000万円問題」を覚えていますか?ひと昔前ではありますが、世間を騒がせた話題です。各々が自分自身の老後を真剣に考えるキッカケにもなりましたよね。この頃、証券会社や銀行では、口座開設数が大幅に増え、NISA制度やiDeCo(個人型確定拠出年金)を始めた方も多いのではないでしょうか。今回は確定拠出年金制度に的を絞って、ご案内いたします。
当制度のメリットは3つの税制優遇。①積立時は掛金が非課税(所得控除)のため税金が軽減されます②運用時は運用益が非課税のため効率良く資産形成できます③受取時は各種控除で税金が軽減されます。ただし、原則60歳まで受け取れない制限がありますので、ご自身のライフイベントに合わせて検討することが必要です。
ちなみに、当制度は「iDeCo」と「企業型」の2種類があります。違いは掛金額の多寡と手数料負担者です。iDeCoでは公的年金の加入区分や企業年金の有無などにより掛金の限度額が異なります。また、加入時や加入後の手数料は個人負担です。一方、「企業型」では、手数料は企業負担となってしまいますが、退職金制度として整備することで、従業員の老後不安の解消や優秀な人材の引き留めに効果を発揮することでしょう。また、ご要望に応じていろんな制度設計ができ、「選択制」では社会保険料の軽減が期待できます。
運用に関してですが、ご自身で各種商品(定期預金、投資信託など)を選んで運用していきます。「企業型」では、従業員に対して、基礎的な資産運用に関する初期教育や継続教育が事業主の責務(努力義務)となっていますが、金融に対するリテラシーを学んでこなかった世代には「勉強する機会を得られた」と前向きな発言が多く、会社への満足度が向上する機会にもなっています。
これから始める方もいらっしゃるでしょう。iDeCoは、開設する金融機関により、手数料や商品ラインナップが違いますので、比較検討をお勧めいたします。「企業型」は、従業員数により手数料が異なり、導入一時金も発生いたします。費用対効果を評価するためにも、顧問税理士・社労士にご相談ください。
人生100年時代を楽しむためにも、ぜひ確定拠出年金制度を活用し、「老後資金」を形成していきましょう。
株式会社 アークウェルス 確定拠出年金担当:岩瀬洋